2011年6月16日木曜日

『ママの声』その3







「オーガニコシーガニコエスイッコ、
オーガニコシーガニコエスイッコ、
妖精の言葉を借りて

時の翼よ
光の矢よ
月の満ち欠けに逆らわずとも
私の求めし所に導きを」

母は、
息子のシャガレバ王子の死を
悲しみ疲れ
そして
遥か昔より
この国に伝わる
決して口にしてはならない
呪文をとうとう
声に出してしまいました。

すると
どうでしょう
母カレレモント王女の
姿がみるみる内に..........





ん??

おやッ

目をさましたようだねぇ

大阪ゾンビ



ありゃま、

体の方はまだ動かないみたいだねぇ

そりゃそうさ

何せ私の膝枕で眠り続けたんだからねぇ

でも、

安心しな

この私は、まだドッペル(実体分身)。

アンタに張り付いてある[叫びの声]は、

ほんと上手な呪術式だねぇ

私のドッペル(実体分身)でもこの程度、

残念ながら

呪文の毒素も直ぐに消えるだろうよ。

たまには、母親らしく可愛い子供に

子守唄代わりに

昔話の一つでも話してあげようか

とでも

思ったんだけどねぇ、

目をさましたんじゃ

ナンか話をするのも照れくさい

ボチボチ帰るとするかねぇ。』

っと

また黒い霧になり

隙間風に吹かれ

消えた。

それを見届けた

大阪ゾンビは、

また寝むりに落ちる瞬間に

はっと

思い出した。

『遠き国の物語』

と言う言葉

それは

母フロリダの女が良く聞かせてくれた

童話の名前


「オーガニコシーガニコエスイッコ」から

始まる物語...............................



でも

それもまた

深いこの寝むりと共に

忘れられる物語





『遠き国の物語』







おやすみゾンビ










『液体POPッ。』より抜粋
























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